歯を削らずに治療するためのさまざまな方法
歯を削らないという考え方
歯医者さんで行われる虫歯治療は、ほとんどの人が「イヤ」と感じるでしょう。
何がイヤかって、痛いのはもちろんですが、私などは歯を削るドリルの、あの「キーンっ」という独特の音がどうにも苦手だったりします。
さて、そんな歯科医院での虫歯治療ですが、最近は歯を削らずに治療する「削らない虫歯治療」と呼ばれるものが増えています。虫歯といえば削るもの、と思っている人にとっては、ちょっと信じられない話のように聞こえるかもしれませんね。
しかし、最近の歯科業界では「MI治療」といって、できるだけ歯を削らずに治療したほうが、長期間健康な歯を維持できる、という考え方にシフトしてきています。
そのため、さまざまな「削らない虫歯治療」の方法が考案されているのです。
いろいろな治療法がある
たとえば、ドックベストセメント治療と呼ばれる治療法は、セメントに含まれるイオンを使用して虫歯を殺菌し、無菌化することで治療をします。
同様に、ヒールオゾン治療では、オゾンの力を使って殺菌、3Mix法と呼ばれる方法では3種の抗生物質をミックスした抗菌剤を使用して殺菌することで治療します。歯を削らずに、虫歯の原因となる細菌を殺菌するという新しい治療法です。
このほかには、高出力のプラズマレーザーを使って健康な歯を傷つけることなく虫歯だけを除去する「プラズマレーザー治療(ストリーク)」や、虫歯に薬剤を塗布して、虫歯部分のみを柔らかく溶かして治療する「カリソルブ」酸化アルミニウムの特殊な粉末をエアーアブレージョンと呼ばれる機器を使って虫歯部分に吹きつけ、虫歯部分だけを吹き飛ばすという「アクアケア(エアーアブレージョン治療)」といった治療法もあります。
虫歯だけを狙い撃ちしたり、溶かしたりする技術は、虫歯を削るという行為に近いものがありますが、従来のドリルを使用して削るよりもはるかに簡単で高精度に虫歯を除去することが可能です。
このほかにも、そもそも虫歯を作らないようにする予防歯科の技術も進歩しており、歯を強化するMIペーストや、ホワイトスポット治療なども、削らない虫歯治療の一環として増えてきています。